彫金工具のキサゲ、磨きヘラとは?
彫金工具の歴史:キサゲと磨きヘラ
彫金工具の中でも、「キサゲ」と「磨きヘラ」は古くから使われている工具のひとつです。
昔は紙やすりやリューターがなかったため、これらの工具が仕上げにおいて重要な役割を果たしていました。
今回は、キサゲと磨きヘラの役割について詳しくご紹介します。
キサゲとは
キサゲは大工道具でいうところの「かんな」と似た役割を持つ工具です。
ヤスリがけの後にヤスリ目を取り除いたり、地金の面取りをしたり、石座の皿モミをするなど、さまざまな場面で活躍します。
特に、紙やすりが入らない細かな箇所の仕上げには重宝します。
ただし、扱い方を誤ると傷だらけになってしまうため、少しずつ慣れていくことが大切です。
磨きヘラ
ジュエリー製作において、「磨きヘラ」ほど便利な道具はありません。
基本的には表面を擦ることで地金を締め、光沢を出して仕上げる道具ですが、それ以外にも多くの役割を持っています。
– 小傷を取り除く
– 巣穴をつぶす
– 地金を締めて硬くする
– 擦って光沢を出す
磨きヘラの最大のメリットは、地金を削らないことです。
例えば、素材刻印を打ち間違えた際には、強めにヘラがけすることで、地金を削らずに間違えた刻印をリセットできる可能性があります。
キサゲとヘラを使うことで、紙やすりやリューターを使用せずに作品を仕上げることも可能です。
また、プラチナはヘラで仕上げた後にバフをさっとかけるだけで新品同様に輝きます。
機械がなかった時代に鉄製の工具で仕上げを行っていた昔の人々の知恵には、本当に感嘆させられますね。