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糸鋸で指輪のすり合わせ

彫金の糸鋸使い方

 

彫金で指輪を制作する際に欠かせない工程が、「すり合わせ(地金の両端をぴったり合わせる作業)」です。

 

特にロウ付けの精度を高めるには、接合部に隙間がないことが極めて重要です。

 

この記事では、**ヤスリでの調整では合わせきれない場合に有効な「糸鋸を使ったすり合わせ方法」**を、初心者にもわかりやすく解説します。

 

 


なぜ「すり合わせ」が重要なのか?

ロウ付け作業において、地金の合わせ目に隙間があると、接合がうまくいかず、強度や見た目に大きく影響します。

そのため、地金の両端をぴったりと合わせる「すり合わせ」は、彫金における基本技術のひとつです。

 

 


基本はヤスリでの調整から

通常、すり合わせはヤスリで地金の両端を削って調整します。

ただし、どうしても端が合わない、隙間ができてしまう場合には、糸鋸でズレた部分を切り落とす方法が有効です。

>ヤスリと糸鋸の使い分けについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています:
彫金におすすめの糸鋸と選び方

 

 


糸鋸を使ったすり合わせの手順

① 隙間を確認する

地金の接合部にわずかな隙間があるかを目視で確認します。隙間が均一でない場合は、ズレている可能性があります。

② 指輪をしっかり固定する

切断作業に入る前に、指輪を確実に固定してください。
⚠️ 刃の進行方向に指を置くのは厳禁。思わぬケガにつながります。

③ 糸鋸でズレた部分を切り落とす

隙間に糸鋸の刃を入れ、まっすぐに切断します。刃が斜めになると、隙間がさらに広がる可能性があるため、慎重に作業しましょう。

④ 隙間がないか再確認

切断後は、合わせ目に隙間がなくなったかを確認します。まだズレがある場合は、再度同じ手順を繰り返します。

※何度も切ると地金が短くなり、指輪のサイズが小さくなるため注意してください。

 

 


技術習得のポイント

糸鋸でのすり合わせは、正確性と経験が必要な技法です。

 

最初はうまくいかないこともありますが、繰り返し練習することで徐々に精度が上がっていきます。

初心者の方は、以下の動画で手順を確認しながら進めてください。

 

 

 


まとめ:糸鋸によるすり合わせのポイント

  • ロウ付けを成功させるには、接合部の隙間ゼロが重要
  • 基本はヤスリ、合わない場合に糸鋸を活用
  • 指輪はしっかり固定し、安全第一で作業する
  • 切断はまっすぐに。斜めだと隙間が悪化する可能性あり
  • 地金が短くなりすぎないよう、調整は最小限に
  • 継続的な練習で精度が向上する

 

 

このように、「すり合わせ」はロウ付け精度を左右する大切な工程です。

 

正しい手順と道具の使い方を身につけて、確実な作品づくりを目指しましょう。

 


【指輪の作り方】芯金を使った地金の丸め方と合わせ目の整え方|ジュエリー制作の基本

 

指輪を制作する工程において、「地金をカットして丸める」作業は、ロウ付けの成功を左右する非常に重要なステップです。

この記事では、芯金を使って地金をリング状に丸める方法と、隙間なく合わせるためのポイントを詳しく解説します。


1. 丸める前に「地金の両端を真っ平らにする」

地金を芯金で丸める前に、必ず両端を平面に整える必要があります。これはロウ付けの成功率を大きく左右します。

平面出しの手順

  • 地金に対して体をまっすぐに向け、安定した姿勢でヤスリをかける
  • 削り終えた後は、光にかざしながらあらゆる角度から確認し、平面が出ているかチェック
  • 角が丸くなっていたり、複数の面ができてしまっていたらやり直し

👉 平面出しのテクニックについて詳しくはこちら
【関連記事】地金接合面の平面出しのコツ


2. 芯金を使って地金を丸める方法

両端を整えたら、いよいよ芯金を使って地金をリング状に丸めていきます。

芯金による丸め方のポイント

  • 利き手に木槌、反対の手に地金を持つ
  • 地金を芯金に当て、叩きながら手を下方向へ回す
  • 中心を叩くことで丸くしていくが、叩きすぎると加工硬化が進むため、手早く作業を行う
  • 地金が硬くなったら**焼きなまし(焼き鈍し)**を実施

👉 別の方法もチェック
【関連記事】ヤットコで丸める方法


3. 木台の上で合わせ目を調整する

丸くなった地金を木台に乗せて、合わせ目のすり合わせを行います。

隙間なく合わせるためのコツ

  • 合わせ目(リングの口)は常に真上を向ける
  • 木槌も真上から振り下ろすようにする
  • 中心を叩くと口が開いてしまうため、両端に木槌の角を当てて寄せていく
  • 最終的に髪の毛一本も通らないようにぴったり合わせること

💡どうしても合わない場合は、合わせ目に糸鋸を入れることでズレを整えることができます。


4. ロウ付けに向けた仕上げの確認

合わせ目に隙間があるとロウが流れず、ロウ付けに失敗します。下記の記事で、ロウ付けを成功させる2つのコツもぜひ確認してください。

👉 ロウ付けがうまくいくコツはたった2つ


まとめ|芯金を使った指輪作りの基本

  • 地金の両端は必ず真っ平らに整える
  • 芯金で丸めるときは、手早く、加工硬化に注意
  • 焼きなましを適宜行うことで加工性を保つ
  • 木台で合わせ目を丁寧に調整
  • 最後に隙間ゼロを目指して、ロウ付けに進む

👉 実際のロウ付け手順を見たい方はこちら
シルバー指輪のロウ付けのコツ(動画付き)

 


ロウ付けを成功させる、地金の平面出しのコツ

 

ロウ付けを成功させる「地金の平面出しテクニック」

指輪の制作工程において、ロウ付け(ろう付け)を成功させるための鍵は、「地金の接合面がどれだけ真っ平らに整えられているか」です。

糸鋸で地金をカットした後、丸めてリング状にする際に、両端の合わせ目にわずかな隙間でもあるとロウ付けがうまくいきません。そこで重要になるのが、**地金の平面出し(すり合わせ)**の技術です。

この記事では、**初心者からプロまで役立つ「平面出しのコツと注意点」**を詳しく解説します。動画解説も用意していますので、実際の動きを見ながら練習してみてください。


地金の平面出しとは?

地金の平面出しとは、ロウ付けの接合部分となる地金の両端を、隙間ができないよう真っ平らに削る作業です。

板の状態で面を整えることで、後の工程でピッタリと接合でき、綺麗で強度のあるロウ付けが可能になります。


平面出しのポイント5つ

1. 使用するヤスリは「少し大きめ」がベスト

対象となる地金よりも少し大きめのヤスリを使用することで、安定感が増し、面の精度が高まります

作業中は、ヤスリの面に人差し指を乗せ、指の腹でヤスリの当たり具合を感じ取る意識を持つと、均一な力で削ることができます。


2. ヤスリのかけ方は「直進法」

**地金に対して、ヤスリをまっすぐに動かす「直進法」**で削るのが基本です。斜めや横方向からのヤスリがけは、面が歪む原因になります。

  • 「直進法」とは:ヤスリの長手方向を、材料の接合面に直角に当ててまっすぐに動かす方法

狭い面の平面出しに最適な方法です。


3. 正しい姿勢で安定した作業を

すり板の高さは、胸のあたりに設定し、地金と自分の体がまっすぐ向き合うように姿勢を整えましょう。

姿勢が崩れていると、力のかかり方が不均等になり、仕上がりにムラが出やすくなります。


4. 一度で決めるつもりで削る

何度も削り直すと、角度や形がズレてしまう原因になります。なるべく息を止めるくらいの集中力で、1回で決める気持ちでヤスリを動かしましょう


5. 削った面の確認も忘れずに

作業後は、いろんな角度から光を当てて面の状態を確認します。平面が複数に分かれていたり、角が丸くなっている場合はやり直しが必要です。

完璧な平面=ロウ付けの成功率を上げる最大のポイントです。


バリの取り方

ヤスリがけの後、エッジにできたバリは放置せず、ヤスリを寝かせて引くようにして削り落とすと綺麗に整います。

動画でチェック

今回ご紹介した「地金接合面の平面出しテクニック」は、動画でも実演しています。実際のヤスリの動きや手の使い方など、文章では伝えきれない細かいポイントも確認できますので、ぜひご覧ください。

 

 


まとめ

指輪制作において、地金の合わせ目がピッタリ合うかどうかで、ロウ付けの成功が決まるといっても過言ではありません。

この記事では、

  • ヤスリの選び方と持ち方
  • 正しいヤスリがけ(直進法)
  • 作業時の姿勢
  • 一発で仕上げる集中力
  • 削った面の確認とバリ取り

といった、平面出しを成功させる5つのポイントを紹介しました。

ロウ付けの精度を上げたい方、綺麗なリングを作りたい方は、まずはこの「平面出し」からしっかりマスターしましょう。繰り返し練習することで、技術が確実に身につきます。



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